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■ 追悼
2005.11. 7

昨日11月6日、歌手の本田美奈子さんが亡くなった。
今年の1月に発症した急性骨髄性白血病。単なる風邪だと思い、受診してそのまま入院となったらしい。その後、臍帯血移植の甲斐もなく、再発して、再入院して、38歳の若さで逝ってしまった。夏目雅子さんに次ぐ、前途有望な芸能人の早すぎる死だ。
彼女が歌手としてよくテレビに出ていたころ、あるボーカルスクールで歌唱指導のような仕事をしていた。
本田美奈子の歌は難しいから、玄人受けする。スカウトの人が来ているステージに立つとき、選ばれた子達は、よく彼女の歌を歌いたがった。でも、実力がついていかない。本田美奈子の歌を選択できるのは、ほんの数人。「Oneway Generation」は、リズム勘のいい子なら、まだいけた。田村正和主演の「パパはニュースキャスター」という番組の挿入歌でイヤでもしょっちゅう耳に入ってきた。ロングトーンの多さに、多少高音ははずしても、なんとか元気と明るさでのりきれた。ところが「1986年のマリリン」になると、もうだめ。歌以前に、ぜんぜん歌のイメージがつかめない。それほど表現するのが難しい歌だと思う。一人、マドンナの曲を好んで歌う18歳の女の子、歌えたのはこの子だけだった。よって、本田美奈子と聞いて、私が思い出すのは、彼女のことと、若かったころの自分。
骨髄移植ができるようになって、たくさんの急性骨髄性白血病の患者さんが助かるようになった と聞いたのは、つい先月。急性骨髄性白血病の患者さんは、50歳以上の成人に多いと聞いたはずなのに。夏目さんにしても、本田美奈子にしても、若すぎる。テレビの人だから注目されているだけで、一般にはもっとたくさんの患者さんがいるんだろう。
私が教えてたその子ももう本田美奈子と同じくらいかな?多少歌が下手でも明るくてルックスのいい子がデビューしていく芸能界に、その子は歌唱力は抜群でも性格が地味すぎた。当時、私が勤めていたその会社の社長に「20歳過ぎたらデビューは無理」と言われていた。彼女はぎりぎりの年齢だった。案の定、その後、おにゃんこクラブが終わり、モームスの時代がやってくる。世間は、アイドル歌手に若い子、若い子を求めるようになった。その後のことは私も離職してわからないままだけれど、結局彼女は歌手の道はあきらめていい奥さんになったのかな?と、懐かしさに浸った。

本田美奈子のCDをアマゾンで購入してみた。


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