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■ バレンタイン前夜に思ったこと
2005. 2.13

親戚の50代の叔母の話。
「子供の頃、父が「明治製菓」に勤めていて、毎日MEIJIのお菓子ばかりで、友達が食べてる駄菓子が欲しくてたまらなかった。でも親にねだっても駄菓子は買ってもらえず、仕方なく、MEIJIブランドのお菓子と、友達の駄菓子を交換してもらっていた」

なんといううらやましい話だ。その当時うちの母の実家なんて、砂糖が足りなくて、なかなかぜんざいも作ってもらえなかったというのに。でも農家だったので、米はあったらしい。父なんて、もっと悲惨だ。米がなくて芋が主食のような子供時代。親は着物を持って農家へ行き、着物と米を交換してもらったことも幾度となくあったそうな。こうしてみると、だいたい同世代の人たちでも、育った場所や環境で随分と食生活は違うものだ。

マリーアントワネットが国民にむけて言い放った「パンがないなら、お菓子を食べればいいじゃない」という有名なせりふ。これだって育った環境が言わせたのよね。と、バレンタイン用にかつくんに買ったMEIJIのブラック板チョコをバレンタインイブにかじりながら、そう考えた。

「食」に関する話題が最近あちこちで聞かれる。今の子達は、堅いものを食べない、一つのものばかりを食べる、偏食が多い・・・昔の子供との違いを数え上げたらきりがないほど。これも環境のせい。
「食」を見直すということは、「食材」を見直す、「食材」を作っている「現場のことを考えてみる」というところから入らないと、今の世の中で「食」に対する意識は変わっていかないと思う。
「食」に対する意識でもう一つ足りないもの。「感謝の気持ち」らしい。確かに私も足りない・・・かも。去年、立て続けに来た台風のせいで白菜一玉が500円近くになったとき、「なんでこんなに高いわけ~?」と、文句は言ったが、「農家の人は大変だ」とは思いもしなかった。「食」に対してだけではなく、自分以外の人に対しての思いやりとか感謝の心が薄らいでいるんだろうな。(だからかつくんにあげるはずのバレンタインチョコなのに、自分で食べてるんだろうな~)

田舎の子供達は、小学校で「米作り」の体験学習がある。半都会の幼稚園では、「芋掘り」の体験学習があるが、お母さん達が子供の長靴が汚れたりするのを嫌い、お父さんの古くなった靴下を長靴の上からかぶせ、畑の中に送り出すそうだ。意味がわからない・・・


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