共同創作童話

ページトップ↑

「ともとも島」★第二部★

2005.7.17


「さよう、確かにその石はふみっちが言うように”天女の奇跡”と言って、
その石を持つものは”不老不死”になれると言い伝えられてきたモノである」
あっそう次郎長老は、更に話を続けました。
「しかし、その言い伝えが災いを招いたのじゃ」
「災い?」四人が同時に口を開きました。
「そうじゃ、島民たちが”天女の奇跡”を求めて激しい奪い合いを繰り広げてしまい、
平和じゃった<ともとも島>が崩壊しそうになってしまったんだなぁ」

正座をしたままの四人は、大変なモノを拾ってきたものだと
内心ヒヤヒヤした気持ちで、長老の話を聞いていました。

「崩壊しそうになった<ともとも島>をなんとかしなけりゃと、島の神が立ち上がったのじゃ」
「島の神?」
「そう。島の神 ”モットモタケルノミコト”である。
”モットモタケルノミコト”は、争いの基になっている”天女の奇跡”を一撃で砕いてしまい、その破片を島の精に託したのじゃ」

島の神の次は島の精? 登場人物が多くなってきて
四人はだんだんと頭がこんがらがってきました。

「おまえたちが持ってきたものは、島の精に託したモノ以外の破片のようじゃな」
「島の神にお伺いをされてこられて、どうだったんでしょうか?」
ふみっち姐が、痺れをきらして聞きました。
「おお、そうじゃった。島の神はこう申された」
『三人の島の精に託した”天女の奇跡”の破片をここに集めよ!
一週間以内に集めることが出来なければ、<ともとも島>は崩壊するであろう!』

「え~っ!!」
正座をしていた四人は大きな声を挙げて、後ろにひっくり返ってしまいました。

「誰がこんな石、見つけてきたんだよー」と、ともっち。
「本当だよ、この石がいけないんだ」コロっちも続いて言います。
責任の重さを感じているように、しょんぼりしているは、いなっちでした。
それを見たふみっち姐が、
「そんなこと言ったって仕方ないっしょ! 見つけてしまったのだからね。
誰が悪いなんてことはないさ。皆で力を合わせて破片を集めましょ!」

「うむ。そうじゃそうじゃ」
あっそう次郎長老も深く頷きました。
「それじゃ、これからわしが言うことをちゃんと覚えていくのじゃぞ!
時間は今日から一週間じゃ。長くは無いが、短くも無い時間じゃぞよ!
<ともとも島>の将来が掛かっておるからのぉー。ふぉっふぉっふぉっふぉ」

四人はあっそう次郎長老宅から、ふみっちコロっち姉弟の家に帰り着いたところでした。
ともとも島の将来を託された四人はさすがに気が高ぶっておりました。
「ふみっち姉ちゃん、どげんするね?」と、コロっち。
「どげんもこげんもなかたい! やるだけやってみるしかなかやろ」
「だんだん、面白なってきたバイ」とは、ともっち。
落ち込んでいたいなっちも
「僕も頑張るけんね」
四人は、気勢を上げて作戦会議を開始したのでした。


あっそう次郎長老が説明してくれたのは、おおよそ次のような内容だったのです。

三人の「島の精」の居場所
 1.月の精:西北西の突端にある「異国の浜」
 2.木の精:島中央の山の中にある「神秘の森」
 3.水の精:東南東に位置する「眠らない湖」

そして”天女の奇跡”の破片以外に「島の精」に逢った証拠に「三つの光」
 1.月の精:「光る砂」
 2.木の精:「光る葉」
 3.水の精:「光る雫」
も持って帰るようにと言われたのです。


作戦会議は盛り上がりをみせました。


第三部へとつづく!

[admin]