共同創作童話

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「ともとも島」★第四部(木の精)★

2005.7.18


4人は、木の精に会うために
島中央の山の中にある「神秘の森」へ到着です。

島とは言っても、ここは未来。
乗り物は、ソーラーカー。
目的地を設定すれば、自動的に車が運んでくれます。

いなっち:「ねえねえ、異国の浜に行くときに、なんでこのソーラーカーを使わんかったとね?みんな一歩一歩、歩いて、やっとたどり着いたとに・・・」
ふみっち:「人間、あまり楽しちゃいかんと。たまには、車が無かった頃の不自由な暮らしも思い出さんと」
ともっち:「そげんたい。ふみっち姐の言うとおり」
いなっち(・・・時間がないって言ってるくせに・・・)
ふみっち:「なんか言った?」
いなっち:「いえ、なにも」
コロっち:「着いたね。ここが神秘の森か。生まれてからこの島にずっと住んでるけど、一度も来たことなかった」
ともっち:「おいらも」

神秘の森は、不思議な香りがしました。
檜と、ローズを合わせたような、とても不思議な香りです。
4人は、その香りに包まれて、幸せな気分になっていました。

そのときです。
「私をお捜しかしら?ようこそ神秘の森へ」

白い布をまとった人が、木の上からにこやかに、こちらを見ています。
ともっち:「あなたが木の精ですか?」
「そうです。私が木の精、りんです」

「”木の精”りん様、私達は「ともとも島」を救う為に旅しております。ご存知かもしれませんが、”天女の奇跡”を集めておるのです」
ふみっちは、頭を垂れてうやうやしく言いました。
「知っております」木の精:りんの声は森の中を響き渡るように澄み通った声でした。
「しかし、簡単にこの”天女の奇跡”を渡すわけには行かないのです」
「どうしてです?」
「島の神”モットモタケルノミコト”様とのお約束です。どんなことがあっても渡してはならんと」
「それでは、ともとも島は崩壊してしまいます」
「そうよな。では、これから出す課題をクリアすれば、差し上げようぞ」
「何なりと」

木の精:りん様が出したお題は次のものでした。
「この”神秘の森”の中には、たくさんの小動物、植物がお互いを助け合い生きておる。
そこで、「金色の土筆」を見つけてくるのじゃ。その辺りには、そなた達が求めておる”光る葉”もあるはずじゃ」

「また、なんか探してこいって、言いよるバイ」いなっちが言います。
「しょんなか。探すしかなかやろが」ともっちが横で、怒った様に言います。
しかし、一行は何処に行けば「金色の土筆」にめぐり合うのか、全く分かりません。

4人は、それでもなんとか、金色の土筆探し出そうと、必死で辺りをかぎ回ります。
土筆・・・っていうからには、土の上・・・土の上には小石がころころ、草がぼうぼう・・・あれ?
あれはなに?と、目を凝らすと、少し離れた場所で、ザリガニがなにやら光る草を食べています。
4人がザリガニにそ~っと近づきますと、なんと、体全体が金色に光っているではありませんか。
もう少し近づくと、なんと光る草だと思ったものは、土筆ではありませんか!

「ザリガニさん、その金色の土筆はいったいどこへ行けば見つけられるのですか?」

ともっちは、ザリガニ語で聞きました。

ザリガニ:「あそこの土を掘れば、いくらでもあるよ」

と、むしゃむしゃと金色の土筆を食べながら、ザリガニは答えました。
教えられた場所を、4人は掘ってみました。
すると、「まあ、こんなにたくさん!?」
っていうくらいの金色の土筆が顔を出しました。
「土の中にあったなんて、これじゃ見つからないはずだわ」
4人は、金色の土筆を一本だけ抜き、"木の精"りん様の所へ戻りました。

「ねぇ、何か忘れてない?」コロっちが言いました。
「何かって、何ね?」ふみっち。
「思いだせんばってん、何か忘れとる・・・」
「光る葉! やろ。それならさっき、ザリガニに聞いた辺りで拾ってきたバイ」いなっちが言います。
「何で、そげんか大事なこつば黙っとると!」ふみっちが怒りながら言いました。
「ごめん。。。(あれ?どこかでこげんか場面、あったような・・・まいっか~)」

”木の精”りん様は、四人が戻ってくるのを待っていました。
そして、「どこで、ザリガニの言葉を覚えたのじゃ?」と言いました。
ともっち:「ザリガニ語の他にもリス語や鹿語、きつね語なんかも話せるバイ」
コロっち:「そういえば、マントヒヒ語も最近覚えたんじゃなかね」
ともっち:「そうたい。森に詳しい”ふくろうのOWL先生”にいつも教えてもらっとる。学校の勉強は出来んばってん、森の動物言葉は直ぐに覚えてしまう」
「えらいね、ともっちは!」と、ふみっち、いなっち、コロっちが褒めました。

「さようか」”木の精”りん様が呟きました。「約束である。そなた達が探しておるこの”天女の奇跡”を持っていくが良い」

こうして、”島の神”モットモタケルノミコトが持って来る様に言われた”天女の奇跡”の破片を2つ集めることが出来ました。
残るは、最後の一個です。「眠らない湖」”水の精”を求めて、一行は疲れた身体にムチ打って、最後の場所へと先を急ぐのでした。

「その前に、OWL先生の所へ寄って行かない?」
ふみっちが突然言い出しました。
「そうだね、金色の土筆を探せたのも、OWL先生のおかげ。お礼の挨拶に、ちょこっと寄ってこばい」と、ともっちも同意しました。
「うん、ここまでスムーズに来られたし。少しくらいの寄り道は大丈夫だね」コロっちも賛成です。
「ラジャー!」いなっちもおどけて見せます。
4人は、次の目的地へ行く前に、
森に住むOWL先生を訪ねることにしました。

番外へとつづく!

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